エコ倶楽部

2005.10.17

富山県管工事業協同組合連合会青年部

水源地をきれいにするキャンペーン
立山カルデラ視察

 富山県に住んでいながら、殆ど行った経験の無い場所の一つに立山カルデラがあります。実際に私達青年部の役員21名中、地元の者1名以外誰も未経験でした。それというのも、カルデラ内が土砂災害の恐れがあり立入がすべて国土交通省の管理であるからです。1日の入場者制限があり、申込者多数のためかなりの競争倍率ときいています。

 実際に以前申込して断られた者が、当組合にもいました。

 そこで私達は、水を扱う商売人として又富山に暮らす者として川の源流であるカルデラをどうしても見たいという想いで企画を立ち上げました。しかし現実は甘くなく、管工事組合20名で申込をしたところ にべも無く断られました。理由として、営利な団体は基本的に許可してませんとのこと。誰もが諦めかけたとき、地元立山町の青年部の父親が町会議員とわかり急きょそのルートでアポを依頼すると快諾をいただきました。まさに、地獄の沙汰もなんとかでした。

 しかし、難関はそれだけではありませんでした。砂防工事が必要な場所で立入禁止場所であるということは、非常に危険であり天候にデリケートであるということでした。予定した時期が10月ということで、台風が頻繁に来ていたころでした。降雨量により、先方から中止の連絡があれば延期では無く事業の完全中止になります。実際私達の前日と2日前は中止で、翌日も雨でした。

 そしてエコ倶楽部探検隊当日、私は早朝空を見上げ自分自身の日頃のおこないの良さを痛く感謝し、晴れ渡った青空に大きな声でありがとうと言いました。そうです、絶好の秋晴れでした。これでこの企画のほぼ9割が、済んだようなものでした。朝の集合場所には19名の男達が昔の遠足気分で集合していました。いよいよ、「エコ倶楽部探検隊 立山カルデラ視察」の始まりとなりました。

 ここで、当日のスケジュールを簡単に説明します。まずバスで中部山岳国立公園の玄関口にある国土交通省立山砂防事務所へ行き担当者から入山の注意事項の説明をうけます。その後軌道(トロッコ電車)に乗り標高差670mの18㌔を1時間45分かけて砂防工事の最前線基地、水谷出張所へ向かいます。いつもは、工事資材運搬用の軌道のため座席は狭く、又急斜面を登るので42段のスイッチバック(世界最多)をくりかえします。実際この時間が、一番大変でした。但し軌道からの眺めは、紅葉と砂防えん堤の調和が見事でした。その後は、バスに乗車しカルデラ内を散策し、砂防現場や立山の名水 天涯の水の自噴場所等を見学するというコースでした。

 さらに立山砂防の歴史を説明します。立山に源流を持つ常願寺川が、流路延長56㌔で平均河床勾配1/30とわが国最大の急勾配であり、その水源地が、火山噴出物や崩壊すい積物そして温泉作用が加わる非常にもろいカルデラ地帯だということです。過去、安政5年の地震で約4億?の土石流により140名の命が失われ8945名の負傷者がでました。今現在も約2億?の土砂が残り、大小多数の砂防えん堤により私達の生活が守られている訳です。

 私達の生活にかけがえの無い水ですが、その一方で災害発生の原因でもある水。地球規模で環境問題が叫ばれる今、自然を守ることも大事ですが、自然と人間が共存する難しさも今回の視察で学びました。

 

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実施概要
青年部名 富山県管工事業協同組合連合会青年部
担当者 会長 近藤 秀樹
実行委員長 沖  秀任
実施時期 平成16年10月7日(木)
参加者

総勢:20名
青年部員:19名
国土交通省職員:1名

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